今年の最低賃金改定 ― 金額と発効日に注意!

今年も最低賃金が引き上げられます。
最低賃金の金額はもちろんですが、今年は「発効日(引上げ実施日)」にも注意が必要です。


最低賃金額の決定

2025年8月、中央最低賃金審議会が発表した基準は以下の通りです。

  • 全国加重平均額:1,118円

  • 全国加重平均の上昇額:63円

この基準をもとに各都道府県で審議が行われ、最終的に次の結果となりました。

  • 全国加重平均額:1,121円

  • 全国加重平均の上昇額:66円
    → 審議会発表を 3円上回る結果 となりました。

注目の引上げ額

  • 最大の引上げ:熊本県
     952円 → 1,034円(+82円、引上げ率8.6%)

  • 基準どおりの引上げ(+63円):東京、愛知、大阪など8都道府県


今年の特徴:発効日のばらつき

例年、最低賃金の改定は「10月発効」が中心でした。
しかし、今年は発効日が大幅に分かれています。

  • 10月発効:20都道府県(うち10月1日は栃木県のみ)

  • 11月発効:13都道府県

  • 12月発効:8都道府県

  • 令和8年(2026年)以降発効:6都道府県
     → 最遅は 秋田県:令和8年3月31日

これだけバラつきがあると、企業は自社にとっての引上げ時期をしっかり確認する必要があります。


近畿圏の状況(当事務所より)

当事務所は大阪に所在しておりますので、近畿圏の結果をまとめておきます。

都道府県 最低賃金額 引上げ額 発効日
大阪府 1,177円 +63円 令和7年10月16日
京都府 1,122円 +64円 令和7年11月21日
兵庫県 1,116円 +64円 令和7年10月4日
滋賀県 1,080円 +63円 令和7年10月5日
奈良県 1,051円 +65円 令和7年11月16日
和歌山県 1,045円 +65円 令和7年11月1日

近畿圏においては、大幅な引上げ額や年越しの発効日といった極端な動きはありません
そのため、例年通りの対応で大きな問題はないと考えられます。


まとめ

  • 今年の最低賃金改定は 全国平均で+66円 と過去最大級の上昇。

  • 発効日が都道府県ごとに大きく異なる点に注意。

  • 近畿圏は比較的平常通りの改定で対応可能。

企業の皆さまは、発効日を確認した上で給与計算や労務管理を見直すことが重要です。

最賃引き上げの光と影:2025年度の動向と企業・労働者への影響

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厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」資料へ

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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