労働時間をみなす様々な制度

労働時間管理は適切に行わなければなりません。

しかし、それがなかなか難しいケースもあります。

そして今回、この記事を記載しようと思ったのは、

先日とある研修に参加させて頂いたからです。

その研修はいわゆる分析業務の研修だったのですが、

その研修を通して社労士試験の

勉強をしていたことを思い出したからです。

ちょっと、退屈な内容になるかもしれませんが、

是非お読みいただければ幸いです。

何かと問題になることが多い時間外労働ですが、

皆さんの会社では労働時間は

適切に管理されていますでしょうか?

本来、1日に労働させることができるのは8時間、

1週間に労働させることができるのは40時間です。

しかし、実際にはそういった

時間管理になじまない働き方が

存在するのも事実です。

では、どの様な制度を用いて

決定しているのでしょう?

日本の様々なみなし制度

法定時間の特例措置

まず、常時10人未満の労働者を使用する

商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業においては

特例として、1日8時間、1週間44時間まで

働かせることが可能
です。

事業場外労働に関するみなし労働時間制

次に、労働者が労働時間の全部又は一部について

事業場外で業務に従事した場合において、

労働時間を算定し難いときは、

所定労働時間労働したものとみなす制度です。

ここで注意しなければならないのは

「労働時間を算定し難いとき」の解釈になります。

単純に外出したでは認められず、

指揮監督が及ばないような場合です。

例えば現在では、スマートフォンなど通信機器の普及で

簡単に連絡ができるので、

なかなか認められることが少なくなります

専門業務型裁量労働制

さらに、会社が労使協定により

必要事項を定めた場合において、

労働者を一定の業務に就かせるとき、

対象業務に従事する者の

労働時間として算定される時間分を

労働したものとみなす制度です。

ちょっと解り難いので少し簡単にします。

いわゆる専門職の方で、

使用者がその業務の遂行手段や

時間配分など具体的な指示を出すことが

困難な業務
に従事ししている場合、

一定の時間働いたとみなして

賃金を支払う制度です。

つまり、働いた時間に応じて賃金を支払わないので、

1日8時間、1週40時間を超えることが可能です。

企画業務型裁量労働制

最後に、労使委員会が設置されている会社で、

その委員の5分の4以上の

多数決による議決で一定の事項を決議し、

その決議を労働基準監督署に届け出た場合に、

一定の時間を労働したものとみなす制度です。

そもそも労使委員会が設置できるくらいの

事業規模が無ければ導入することができません


詳細を記載すると長くなるので

説明は簡単に留めさせて頂きます。

この様にある程度専門的な職業に関しては

時間管理の枠に収まらないことも多いので、

働いたものとみなしてしまう制度が認められています。

特に企画業務型裁量労働制は、

対象となる業務が限定されています。

それは、企業等の運営に関する事項についての

企画、立案、調査及び分析の業務であって、

業務の遂行方法等に関し

使用者が具体的な指示をしないとされております。

つまり、その専門性から労働時間を

明確にすることが困難になるからです。

実際に馴染みの少ない方も多いかもしれませんが、

日本の労働法制の中には

このような措置が取られている働き方が存在するのです。

大阪の労働時間と賃金の現状

大阪の労働時間と賃金の現状

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ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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