労働者の時間管理

労働者の時間管理を行っていますか?

多くの企業では「はい」だと思います。

しかし、「正しく行っていますか?」と聞かれて

「はい」と即答できるでしょうか?

そんな、労働者の時間管理について記載していきます。

何度かブログの中で時間外労働について

記載をしたことがあります。

しかし、そもそも労働者の時間管理は

どの様に行われなければならないのでしょうか?

今回はそもそも時間管理を

どの様に行うべきかについて

実例を紹介します。

そもそも労働時間とは?

労働時間とは

使用者の指揮命令下に置かれている時間

のことで、明示または黙示の指示により

労働者が業務に従事する時間は

すべて労働時間となります。

したがって就業規則で労働時間を定めている、

タイムカードを打刻している、

上司から明確な指示のない労働である、

といったことで判断されるのではなく


労働者の行為が使用者の指揮命令下に

あったか否かを個別具体的にかつ客観的に判断されます。

判例で見る労働時間

作業着への着替え

工場で就業する労働者が、

使用者から作業服及び

保護具等の装着を義務づけられ、

その装着を事業所内の

所定の更衣室等において行うもの

とされていたケース。

⇒使用者の指揮命令下に

置かれていたと評価された=労働時間である

※上記は判例のケースで全てに当てはまる訳ではありません。

トラック運転における同乗者

定期路線トラックにおいて、

運転手が2名乗り込んで

交替で運転する場合、

運転しない者が助手席で休憩し、

または仮眠をとっているケース。

労働時間である

※上記は判例のケースで全てに当てはまる訳ではありません。

その他労働時間となるケース

例えば、参加することが

業務上義務付けられている研修や教育訓練

次に、労働安全衛生法に規定する

特殊健康診断に要する時間

さらに、労働安全衛生法に規定する

安全衛生委員会の開催に要する時間

最後に、休憩時間とされている時間であっても、

来客当番等で待機させている時間

といった内容は労働時間と

判断されることがあります。

労働時間とならないケース

例えば、一般健康診断の受診に要した時間

次に、就業時間外の自由参加による教育訓練

といった内容は労働時間と

判断されないことがあります。

労働時間の端数処理

労働者の時間管理を行うときには

基本的には1分単位で行わなければなりません


しかし、一定の範囲内で

端数処理を行うことは違反にはなりません。

1時間単位で1円未満の端数が発生するとき、

50銭未満切り捨て、50銭以上を1円に切り上げる

1カ月の集計で時間外労働、休日労働、

深夜残業の合計時間において

1時間未満の端数を30分未満は切り捨て、

30分以上は1時間に切り上げる

1カ月の集計で時間外労働、休日労働、

深夜残業の割増賃金総額において

1円未満の端数を50銭未満は切り捨て、

50銭以上は1円に切り上げる

1カ月の賃金支払総額の

100円未満の端数を

50円未満は切り捨て、

50円以上を100円に切り上げる

まとめ

労働者の時間管理は単に就業規則、

タイムカードの打刻ではなく

明示または黙示の指示により

労働者が指揮命令下にあったか否かを

個別具体的に判断されます。

明示はもちろんですが

黙示(暗黙のうちに意志を表示すること。

はっきり言わないで、間接的に意志を示す)

の場合であっても労働時間となる

ケース
があります。

また、時間管理は1分単位で

端数処理も一定の範囲が

設定されているので、

それに違反すると給与全額払いの原則に

抵触する可能性が高くなります。

 

労働時間をみなす様々な制度

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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