雇用契約書を採用時毎に締結していますか?
今回はその辺についてのお話です。
また、今年一年当ブログを
お読み頂き誠にありがとうございました。
2022年最後のブログとなります。
ここまで応援頂いた方々に感謝申し上げます。
また、2023年もよろしくお願い申し上げます。
さて、年末の時期だからこそ
新年を迎えるにあたって
もう一度確認しておきましょう。
雇用契約書とは
そもそも、労働契約自体は
契約書が無かったとしても
「働きたい」「働いてください」という
意思表示の合致で成立します。
しかし、このままでは
いつから働くのか?
どこで働くのか?
なんの仕事をするのか?
何時から何時まで働くのか?
お給与はいくら貰えるのか?
といったことが不明瞭になり
トラブルの原因となります。
そこで、この「働きたい」「働いてください」という
意思表示を具体的な内容を定めて
契約書としたのが雇用契約書ということになります。
労働条件通知書との違い
まず、労働基準法において使用者は、
労働契約の締結に際して労働者に対して
賃金、労働時間その他の労働条件を
明示しなければならないとされております。
(入社時に書面の提示をしていますか?を参照ください)
そこで、この労働条件を明示するために
使用されるのが労働条件通知書ということになります。
契約書ではないので
使用者が労働者に対して
必要事項を通知する書類という点において
雇用契約書とは異なります。
法的位置づけ
前述の通り、労働基準法においては
雇用契約書を締結すべき
法的根拠はありません。
また、労働契約法第四条において
「労働者及び使用者は、
労働契約の内容
(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、
できる限り書面により
確認するものとする。」
とされておいります。
しかし、これも「できる限り」という
文言があるので努力義務であり、
雇用契約書を締結すべき法的根拠とはなりません。
つまり、雇用契約書を締結すべき
法的根拠は存在しておりません。
雇用契約書は不必要?
では、法的根拠がないのなら
雇用契約書は不必要ですか?
というと答えはNOです。
これに関しては全力で
NOと言わせて下さい。
雇用契約書は契約書ですので
使用者と労働者の双方が
署名し捺印して各自が保管するのが基本です。
この行為が非常に
大切だと考えます。
雇用契約書に記載する内容は
基本的には労働条件明示書と
一緒で問題はありませんので、
入社時に書面の提示をしていますか?を
参照して頂ければ
絶対的明示事項と相対的明示事項に分けて
記載をしています。
繰り返しですが大切なのは
双方が署名捺印して
保管するということです。
使用者と労働者は、しばしばトラブルが発生し、
あっせん、労働審判、労働裁判に
発展するケースも存在します。
この時に労働条件の
根拠となるのが雇用契約書です。
もちろん、就業規則も大切ではある
(「就業規則が会社を救う・・・かも!」
をお読みください)のですが、
就業規則よりも個別の契約内容が
優先されますので、
この雇用契約書を締結している場合には
その内容が優先して適用されることになります。
まとめ
もちろん使用者も労働者も
トラブルなくお互いが
win-winの関係で労使関係が
継続することが望ましくはありますが、
残念ながら人間ですので
些細なことからトラブルになることも
実際にあります。
この時にトラブル解決の糸口となり
ベースとなるのが就業規則や
雇用契約書ということになります。
労働者にとって
雇用契約書を確認することで、
例えば残業代の未払い請求の
根拠となることもあります。
特に「みなし残業手当」の有無によっては、
請求できる金額は大きく変化します。
使用者にとって
トラブル発生時に使用者が盾にできる
根拠の多くは就業規則と
雇用契約書になります。
だからこそ雇い入れ時には
労働条件通知書だけではなく、
雇用契約書を締結して保管しておく必要があります。
それではみなさん、よいお年をお迎えください
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