週休2日制未導入の会社を
建設業で多く見かけます。
そして、厚生労働省調査によると
週休2日制の導入は
産業全体で90.8%
建設業は87.8%
という調査結果があります。
週休2日制未導入の理由
では、どうして建設業では
週休2日制の導入が
進まないのでしょうか?
それは、天候に左右される
作業が多くなるから。
他にも、工期があることによる
作業時間の長時間化。
また、単純に人手不足の
業界であること。
そして、日給月給の会社も多く
労働者の収入確保のため。
この様に様々な要因から
建設業では週休2日制の導入が
他業界より遅れております。
週休1日は可能なのか?
そもそも労働基準法では
1日8時間以上の勤務
1週間40時間以上の勤務を
禁止されております。
したがって、週休1日で
1日8時間勤務をすると
1週48時間勤務となり
労働基準法違反です。
そこでよく利用されている制度が
1年間の変形労働時間制です。
そもそも建設業では
午前中と午後に30分程度の休憩を
設定している会社も多いです。
したがって、1日の所定労働時間は
8時間ではなく7時間が多くなります。
そして、1日7時間×1週6日間となると
所定労働時間は42時間になります。
そこで、祝日、盆休み、年末年始など
休みが多くなる週を
年間で平均して
1週間で40時間を
超えないようにする制度を
活用しています。
この制度を活用して
連休がない週を
週休1日としているのです。
1年間の変形労働時間制の導入注意点
対象労働者の範囲
まず、この制度を活用するには
対象となる労働者を
労使協定において
明確にする必要があります。
そして、年少者(満18歳未満の者)には
この制度を適用することが
できないことに注意しましょう。
また、妊産婦については
本人が請求した場合は
対象外となることにも
注意が必要になります。
さらに、対象労働者を
明確にする必要がありますので、
全労働者、〇〇部所属の者など
一目瞭然にすべきです。
対象期間の設定
次に対象期間として
いつからいつまでが
対象となるかを
明確にする必要があります。
また、1年の変形労働時間制という
ネーミングではありますが、
実際には3カ月、4カ月、半年など
1年を超えない範囲での
設定も可能になります。
労働日と労働時間の特定
そして、対象期間を平均して
1週間の労働時間が
40時間を超えないようにする
必要があるます。
したがって労働日と労働時間を
明確にしておく必要があります。
ただし、1カ月以上を
対象期間としたときには、
1.最初の期間における労働日
2.最初の期間における労働日ごとの労働時間
3.最初の期間を除く各機関における労働日数
4.最初の期間を除く各機関における総労働時間
を定めておけば当初はOKです。
その後は少なくとも
30日前までに
労働日と労働時間を
書面にて定める必要があります。
割増賃金の支払い
最後に最も注意すべきは
割増賃金の支払いです。
まず、1日8時間を超える時間を
設定した場合はその時間、
それ以外の日は1日8時間を
超えて労働した時間は
割増の対象となります。
次に労使協定で
1週40時間を超える時間を
定めた週はその時間、
それ以外の週は1週40時間を
超えて労働した時間が
割増の対象となります。
最後に対象期間の法定労働時間を
越えて労働した時間も
割増の対象となります。
まとめ
建設業では天候に左右される、
工期、人手不足、日給月給制などから
週休2日制の導入が
遅れている傾向にあります。
そして、それを可能にしている制度が
1年間の変形労働時間制になります。
しかし、制度の設定と
運用にはルールが必要であること。
また、特に割増賃金の計算が
通常より複雑になることを
理解して運用する必要があります。
労務管理とは?
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