毎年、春闘の結果が注目されるこの時期、皆さんの賃金はどれくらい上がったでしょうか?賃上げは実感できているでしょうか? 今回は、厚生労働省が発表する毎月勤労統計の2025年4月分の速報値から、今年の賃上げの実態を探ってみたいと思います。
毎月勤労統計とは?
まず、毎月勤労統計について簡単にご説明します。これは厚生労働省が毎月実施している調査で、賃金、労働時間、雇用の変動を明らかにすることを目的としています。私たちの給与がどう変化しているのかを知る上で、非常に重要なデータです。
2025年4月の賃金速報値
早速、その結果を見てみましょう。
1. 就業形態合計(一人あたり)
- 2025年1月:292,468円
- 2025年2月:288,697円
- 2025年3月:309,059円
- 2025年4月:302,453円
2. 一般労働者(一人あたり)
- 2025年1月:376,626円
- 2025年2月:372,706円
- 2025年3月:400,236円
- 2025年4月:388,583円
3. パートタイム労働者(一人あたり)
- 2025年1月:108,978円
- 2025年2月:107,306円
- 2025年3月:110,997円
- 2025年4月:111,291円
いかがでしょうか? 日本労働組合総連合会(連合)の発表では、2025年の平均賃上げ率は5.32%とされています。しかし、就業形態合計の2月(288,697円)と4月(302,453円)を比較しても、賃上げ率は約4.8%に留まります。2月は暦日数が少なく、4月はゴールデンウィークの影響で就業日数が少ないことを考慮しても、この数字です。
前年同月比で見る賃上げの実態
次に、前年同月と比較してみましょう。
1. 就業形態合計
- 2024年4月:296,884円
- 2025年4月:302,453円(1.9%増)
2. 一般労働者
- 2024年4月:378,039円
- 2025年4月:388,583円(2.9%増)
3. パートタイム労働者
- 2024年4月:108,358円
- 2025年4月:111,291円(2.7%増)
前年比で見ても、連合が発表した5.32%という数字からは大きくかけ離れています。昨年も同様の傾向が見られましたが、報道されている賃上げ率と、統計データ、そして私たち労働者の実感との間に依然としてギャップがあると感じられます。
まとめ:実感と統計の乖離
毎月勤労統計のデータを見る限り、今年の賃上げは、報道されている数字ほどには反映されていないという印象を受けます。さらに、これに物価上昇率を加味した実質賃金で考えると、むしろマイナスになっている可能性も十分に考えられます。
皆さんの周りでは、賃上げを実感できていますか? この統計結果と、皆さんの体感とのズレについて、ぜひご意見を聞かせてください。
賃上げの実態(Ver.2024年)
厚生労働省「毎月勤労統計」HP
コメント
COMMENT