働き方の多様化が進む中で、「スポットワーク(単発・短時間の仕事)」も新しい働き方として定着しつつあります。
一方で、労働契約や賃金をめぐるトラブルも多いため、厚生労働省は令和7年7月に「スポットワークの留意事項」をまとめました。
今回はそのポイントを クイズ形式 で解説します。
第1問 労働契約の相手は誰?
スポットワークにおいて、労働契約は誰と誰の間で成立するでしょうか?
A) スポットワーカーと仲介業者
B) スポットワーカーと事業主
C) 仲介業者と事業主
D) 労働契約は成立しない
👉 スポットワークは「有料職業紹介」にあたり、労働契約は ワーカーと事業主の間 で成立します。
派遣の場合は派遣元との契約ですが、30日以下の短期派遣は原則禁止されています。
正解:B) スポットワーカーと事業主
第2問 労働契約の成立時期はいつ?
特段の合意がない場合、スポットワークの労働契約はいつ成立するでしょうか?
A) 応募したとき
B) 応募後に連絡があったとき
C) 就業開始当日
D) 就業開始時
👉 スポットワークは応募=合意とみなされ、応募時点で労働契約が成立します。
成立後は労基法が適用されるため、キャンセルには双方の合意が必要です。
正解:A) 応募したとき
第3問 早上がりさせたい場合の対応は?
労働開始後、客数が少なかったためスポットワーカーを早上がりさせる場合、正しい対応は?
A) 未支給(全額不払い)
B) 働いた時間分のみ支給
C) 働いた時間+早上がり分の半額を支給
D) 当初の予定通り全額支給
👉 労働契約成立後の「早上がり」は事業主都合。
休業手当または当初約束した賃金の 全額支払い が必要です。
正解:D) 当日の労働予定だった分の給与を全額支給
第4問 適切な賃金・労働時間管理はどれ?
次のうち適切なのは?
A) 制服への着替え時間を無給とした
B) 作業終了後の清掃時間を無給とした
C) 募集時に記載した休憩時間を無給とした
D) 働きが悪かったので時給を下げた
👉 制服の着替えや清掃は事業主の指示による労働時間。給与が発生します。
また、一方的な時給の減額は違法です。
正解:C) 募集時に記載した休憩時間を無給とした
まとめ:スポットワークで気をつけるべきこと
クイズ以外にも、以下の点に注意が必要です。
-
労災保険
スポットワーカーも労災の対象。通勤途中の事故も補償対象となります。 -
労働災害防止対策
1日勤務でも熱中症対策などの安全配慮が必要です。 -
ハラスメント防止
パワハラ・セクハラ対策、相談窓口の設置、周知徹底が求められます。
✅ スポットワークは「短期だから特別扱いできる」わけではなく、通常の労働契約と同じく 労基法や労災保険の適用を受ける ことを忘れないようにしましょう。
スポットワークのリアル:メリットと落とし穴を徹底解説!
厚生労働省「いわゆる「スポットワーク」の留意事項等」HP
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