「労務管理に関する研修をしてほしい」というご要望をいただくことが増えています。
もっとも、労務管理は応用や事例検討に入る前に、労働基準法を中心とした基本的な知識の理解が不可欠です。
そこで今回は、研修に先立ち
「基本事項をどの程度理解できているか」を確認するためのテストを作成しました。
テーマは、労務管理の中でも特に重要な勤務時間管理です。
ぜひ一度、ご自身や管理職の方でチャレンジしてみてください。
勤務時間管理・理解度チェックテスト
各問の「 」に入る語句を考えてください。
問1
労働基準法で労働者を働かせてよいのは、1日「 」時間である。
問2
労働基準法で労働者を働かせてよいのは、1週間「 」時間である。
問3
時間外労働(残業)をさせるには、「 」という労働協約を締結し、労働基準監督署へ提出する必要がある。
問4
問3を締結するには、「 」代表者または「 」労働組合の意見を聴取する必要がある。
問5
問3の協定を締結しても、一部の職種を除き、1か月で時間外労働させることができるのは「 」以下である。
問6
労働者の時間管理を行う時には、「 」単位で管理する必要がある。
問7
始業・終業時刻の確認及び「 」は、使用者が講ずべき措置である。
問8
60時間以下の時間外労働の賃金割増率は「 」%である。
問9
60時間超の時間外労働の賃金割増率は「 」%である。
問10
法定休日の休日出勤割増率は「 」%である。
問11
部下が時間外に勤務しているのを、特に指摘や帰宅指示をしない場合は「 」となり、時間外労働として扱う。
問12
一般健康診断の受診は労働時間となりませんが、「 」健康診断の受診は労働時間に該当します。
問13
ホテルなど繁閑の差が激しい企業では、1年単位の「 」労働時間制を採用している。
問14
一定期間における労働時間の総枠のみを定め、1日・1週間の労働時間は労働者が自由に決める制度は「 」制度である。
問15
終業から翌始業までに一定の時間(8~11時間以上)を空ける制度は、勤務間「 」制度である。
解答・解説|なぜ重要なのかを押さえる
問1・問2
解答:8時間/40時間
労働基準法では、労働者を無制限に働かせることを禁止しています。
その上限が、1日8時間・1週40時間です。
なお、経営者などの役員は「使用者」に該当するため、原則としてこの規制の対象外となります。
問3・問4
解答:36協定/過半数労働者代表/過半数労働組合
時間外労働や休日出勤を可能にするための協定が、いわゆる36(サブロク)協定です。
これは労働基準法第36条に基づくもので、使用者が一方的に残業を命じることを防ぐ仕組みでもあります。
問5
解答:45時間
月80時間が「過労死ライン」とされていることから、
通常の時間外労働は月45時間以内という上限が設けられています。
問6
解答:1分
労働時間は1分単位で管理する必要があります。
なお、給与計算においては、1か月分を集計した上で
30分未満切り捨て・30分以上切り上げといった端数処理は認められています。
問7
解答:記録
労働時間の管理は使用者の責務です。
そのため、始業・終業時刻の確認と記録を適切に行う必要があります。
問8・問9
解答:25%/50%
時間外労働の割増率は原則25%です。
ただし、月60時間を超える時間外労働については、
2023年4月以降、すべての企業で50%の割増賃金が必要となりました。
問10
解答:35%
法定休日は本来働く日ではないため、
休日出勤の割増率は35%と高く設定されています。
なお、法定休日に8時間を超えて働いても、さらに25%は加算されません。
問11
解答:黙認
部下の時間外勤務を把握しながら指摘や帰宅指示をしない場合、
それは黙認=承認と同様に扱われ、時間外労働となります。
不要な残業を防ぐためにも、管理職の声かけは非常に重要です。
問12
解答:特殊
一般健康診断は労働時間に該当しませんが、
有害業務に従事する労働者が受診する特殊健康診断は、労働時間扱いとなります。
問13
解答:変形
繁閑差が大きい業種では、
1日・1か月単位で労働時間を管理しにくいため、
1年単位の変形労働時間制を採用し、週平均40時間に調整するケースがあります。
問14
解答:フレックスタイム
一定期間の総労働時間のみを定め、
日々の労働時間を労働者が決める制度がフレックスタイム制度です。
IT業界などでは多く採用されていますが、建設業などでは導入が難しい面もあります。
問15
解答:インターバル
終業から翌始業までに一定の休息時間を確保するのが
勤務間インターバル制度です。
2026年の労働基準法改正に向け、法制化が検討されています。
まとめ|労務管理研修は「基本の確認」から
労務管理は、
「知っているつもり」「昔聞いたことがある」
という状態が、思わぬ法令違反につながる分野です。
研修を行う際には、
まず基本知識の整理と認識合わせを行うことが、
実務に活かせる労務管理への第一歩となります。
今後の研修や社内教育の参考になれば幸いです。
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労働者の時間管理
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」資料



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