アルムナイ制度

アルムナイ制度という言葉を

聞いたことはあるでしょうか?

 

アルムナイ制度とは?

そもそもアルムナイとは英語で

「alumni」と表記されます。

 

そして、日本語訳すると

卒業生」や「同窓生」という

意味の言葉になります。

 

つまり、企業における

アルムナイ制度とは

企業を退職した

元従業員との関係性を

維持しながら

組織に結びつける制度です。

 

たとえば、元従業員を

再雇用することも

この制度のひとつです。

 

この再雇用制度のことを

特にアルムナイ採用と言います。

 

また、PCを使用する職種では

退職時にそのまま在宅ワーカーとして

関係性を維持する制度もあります。

 

このケースはCADオペレーターなどに多く

企業で培った技術を活かすだけでなく、

図面指示など企業独自のやり方を理解する

元従業員が業務にあたるので安心して

任せることができます。

 

アルムナイ制度の具体例

では、企業では実際に

どの様にしてこのアルムナイ採用を

取り入れているのでしょう?

 

2024年9月20日に発表があった

イオンリテール株式会社の

実例を紹介したいと思います。

 

イオンリテール株式会社では

ウェルカムバック制度」という

制度名で運用しています。

 

従来の制度は結婚・出産・介護などの

限定的な退職理由の方が対象となる

制度設計でした。

 

しかし、この新制度では正社員に限らず

パートタイム従業員も対象となり、

退職理由を問わず再入社可能

制度設計をされております。

 

また、退職者だけではなく

新卒採用の内定辞退者も

対象としているところが特徴です。

 

そして、再入社時の処遇は

基本的には退職時以上基本としているところも

魅力的な内容となります。

 

アルムナイ制度の注意点

アルムナイ制度は

現在の採用難の時代に

即戦力を雇用できると

注目されている制度です。

 

しかし、もう一方で

既存従業員のモチベーション低下、

制度設計など制度導入のハードルに

注意する必要があります。

 

モチベーション低下

実際にアルムナイ制度は

退職者にとっては

選択肢が広がる良い制度です。

 

しかし、既存従業員にとっては

出戻りの社員と待遇が変わらない

といったような不平・不満を

持つケースが存在します。

 

たしかに日本では「退職=裏切り」

といったマイナスイメージを

持つ人が多いのも事実です。

 

したがって、再入社者との

関係性維持も大切ですが

既存社員のケアも必要となります。

 

制度設計のハードル

前述のとおり既存社員との

摩擦を最小限にするためにも

制度導入において

再入社者の処遇決定は

大きなハードルとなります。

 

仮に魅力の少ない制度にすれば

元従業員は見向きもしません。

 

もう一方で魅力的な処遇にすれば

既存社員のモチベーション低下を

招く可能性が高くなります。

 

また、元従業員との関係性を

退職後にどの様に維持するか

大きな課題の一つと言えます。

 

相手はやむを得ない理由でなければ

何らかの不満などを抱いて

退職していることになります。

 

したがって、その企業との

関係性を維持しようと思うような

何かが必要になってきます。

 

たとえば、単純に通り一辺倒の

メールを送信するだけでは

元従業員は振り向きません。

 

まとめ

アルムナイ制度は

労働力人口減少の現在において

即戦力を採用する制度ではあります。

 

しかし、その導入には

考えるべきハードルいくつかあります。

 

自社の現状にあった制度設計を

上手に行っていく必要があるのです。

 

多様な正社員とは?

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イオンリテール株式会社「ウェルカムバック制度

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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