派遣の禁止業務にご注意ください

派遣労働者を使用してはいけない

業務があるのをご存じですか?

人材派遣の禁止業務

まず、大手企業を中心として

派遣社員を活用している

企業も多いと思います。

そして、私も派遣元責任者として

派遣事業に携わっております。

そもそも、人材派遣は

昭和61年に労働者派遣事業の

適正な運営の確保及び派遣労働者の

就業条件の整備等に関する法律(いわゆる派遣法)

の施行より国内で正式に認められるようになりました。

そして、人材派遣は常用代替防止(正社員の仕事を奪うことを防止する)の

基本方針から当初は専門職にのみ限定的に実施されてきました。

しかし、平成11年の法改正より

限定的に許可業務を列挙するポジティブリスト化から

一部の禁止業務を列挙するネガティブリスト化することで

原則自由化されてきました。

そして、現在でもネガティブリスト化は継続されており、

港湾運送業務

建設業務

警備業務

医療関係の業務(諸条件を満たせば一部可能)

などは現在でも派遣禁止業務
となっております。

建設業務への派遣禁止理由

どうして建設業への

派遣が禁止されているかというと

「受注生産、総合生産等その特殊性にかんがみ、

建設労働者の雇用の安定を図るため、

労働者派遣事業とは別に、

建設労働者の雇用の改善等に関する法律において、

建設労働者の実情を踏まえた

特別な労働力需給調整制度として

建設業務労働者就業機会確保事業制度が

設けられているためです」(一般社団法人 日本人材派遣協会HPより)。

簡単に言うならば、建設業という特殊性から

別の建設関連の法律で規定をしているから
です。

派遣禁止の例外

しかし、当社も実際に建設系に特化した

派遣会社と名乗っているように、

建設業界において全ての派遣が

全て禁止されているかというと

そういうわけではありません。

実際に、禁止されているのは

第一に、土木・建設の現場で行われる作業に直接従事する業務

第二に、土木・建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、

破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務

というように限定的に禁止されております。

なので、現場事務所の事務員、CADオペレーター、

施工管理業務(工程管理・品質管理・安全管理など)、

インテリアコーディネーターといった

職種については派遣が認められております

注意すべき事項

ここで注意しなければならないことが、

現場事務所に事務員はもちろん、

大きな建設現場にはCADオペレーターも

仮設事務所に勤務しています。

そして、施工管理に従事する者が建設現場に

常駐しているのはもちろんですし、

インテリアコーディネーターも

コーディネートした内装の確認に

建設現場に出向くこともあります。

こういった職種に従事する派遣労働者が、

空き時間などに資材置き場の整理や残材片付けをする。

または、建設中の建物内で清掃作業を行った場合には

建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは

解体の作業の準備の作業に直接従事したものとして、

労働者派遣法違反となってしまう
のです。

「えっ、それぐらいでダメなの!」

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

こういった行為は前述の通り、

建設業務に該当し法違反となりますので、

指揮命令者の方にとっても注意が必要になります。

※余談ではありますが、医療関係の業務についても

病院・診療所などでの医師、歯科医師、薬剤師、看護師などの

派遣が禁止されているだけで、

医師であっても障碍者支援施設などでは

派遣が認められております。

また、薬剤師についても病院外の

調剤薬局のような場所への派遣は認められております。

まとめ

実際に、法律では一律に建設業務や

医療関係の業務への派遣を

禁止している訳ではなく、

禁止の例外業務など

細かく設定されています。

しか、この解釈を誤って

建設現場で清掃業務をさせる

(仮設事務所内の清掃はOK)などの

行為は法違反になる
ことにご注意ください。

 

転職を題材としたドラマ(第二話)

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ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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