人手不足の分析については
2023年にも実施しました。
あれから1年が経過しますので
現在の状況を過去と比較しながら
分析したいと思います。
大阪労働局のデータ
このブログでは何回も
使用させて頂いておりますが、
今回も大阪労働局が
発表しているデータを
活用しながら分析を
行いたいと思います。
しかし、前回は2022年12月ですが、
タイミングが異なるので
今回は2023年11月の
データを使用したいと思います。
大阪の有効求人倍率
まず、大阪の有効求人倍率は
2022年12月では1.30倍でした。
そして、1年経過した今回は
2023年11月で1.26倍と低下しました。
この数値は全職種平均なので
職種別に分析したいと思います。
大阪で人手不足の職種
では、職種別有効求人倍率を
前年と比較しながら発表します。
1位/土木作業
(16.16倍/前年1位)
2位/建設躯体工事
(13.61倍/前年3位)
3位/建設※躯体工事除く
(6.44倍/前年7位)
4位/機械検査
(5.59倍/前年ランク外)
5位/飲食物調理
(5.30倍/前園5位)
6位/建築・土木・測量技術者
(5.13倍/前年6位)
7位/家庭生活支援サービス
(4.60倍/前年ランク外)
8位/介護サービス
(4.54倍/前年9位)
9位/運輸・郵便事務
(3.92倍/前年ランク外)
10位/販売職
(3.79倍/前年ランク外)
建設関連の職種が
軒並みランクアップし
上位3位を独占という状況です。
つまり、建設業界の人手不足の進行が
感じ取れる結果となっております。
希望賃金差異
次に、人手不足の職種において
ハローワーク募集の賃金月額下限と
求職者の希望賃金で比較します。
1位/土木作業
最初に下限243,879円
次に、希望251,538円
そして差異▲7,659円
2位/建設躯体工事
最初に下限239,710円
次に、希望286,818円
そして差異▲47,108円
3位/建設※躯体工事除く
最初に下限232,096円
次に、希望280,090円
そして差異▲47,994円
4位/機械検査
最初に下限208,439円
次に、希望232,500円
そして差異▲24,061円
5位/飲食物調理
最初に下限228,828円
次に、希望245,905円
そして差異▲17,077円
6位/建築・土木・測量技術者
最初に下限273,097円
次に、希望309,464円
そして差異▲36,366円
7位/家庭生活支援サービス
データなし
8位/介護サービス
最初に下限215,001円
次に、希望213,776円
そして差異+1,225円
9位/運輸・郵便事務
最初に下限237,778円
次に、希望260,000円
そして差異▲22,222円
10位/販売職
最初に下限236,928円
次に、希望276,000円
そして差異▲39,072円
有効求人倍率の高い職種は、
基本的に企業の想定賃金に対し
求職者の希望給与が高い傾向にあります。
したがって、建設業においては
これが露骨に出た結果です。
しかし、本当に深刻なのは介護職で
企業の想定賃金は
既に求職者の希望給与を
上回っているにも関わらず、
有効求人倍率が高い状況です。
つまり、金銭原因ではなく
人手不足の状況と言えます。
人手不足のまとめ
大阪の現状で建設業界が
人手不足の業界であることは
間違いありません。
私が思いつくだけでも大規模な工事として
例えば、万博関連の工事
他にも、梅田北ヤード再開発
そして、御堂筋線延伸工事
最後に、淀屋橋駅西地区第一種市街地再開発
などが存在します。
そして、取引先の方に話を聞いても
例えば、仕事はいくらでもあるが
工事する人が存在しない。
他にも、仕事量が多すぎて
既に3月末まで休みが取れない状況。
そして、インフルエンザに感染しても
休みが取れず工事していた。
といった悲痛な声を聴きます。
確かに資材も高騰し、
工事単価は上昇していますが、
建設業界として人への投資をしなければ
新規入職者は減少し、
衰退する業界になりかねません。
是非、給与所得の増加はもちろん
福利厚生、研修、リスキリングなど
人への投資を増やしていきましょう。
人材不足を分析してみる
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