人事考課の季節です

人事考課の季節がやってまいりました。

この時期、頭を抱える方も多いのではないでしょうか?

人事考課とは?

今年度も残すところ2カ月を切り、

来年度の新卒受け入れ準備などに

忙しい方も多いと思います。

また、年度末は人事考課の季節でもあり、

多くの労働者はベースアップや定時昇給だけではなく、

人事考課が気になる季節でもあります。

では、そもそも人事考課とは何かというと、

個々の従業員の能力、態度、職務遂行能力、

適性などを評価する制度
です。

そして、直属の上司やその他の者によって

行われるのが一般的であり、

主に①昇給・賞与の査定 ②昇進・昇格の査定

③能力開発 ④適正配置 などに活用
されます。

人事考課の評価基準

人事考課は「業績考課」「能力効果」「情意効果」

という3つの評価基準で実施すのが一般的です。

業績考課とは?

業務の成果やプロセスについて

業績を評価
します。

例えば、営業職ならば部署売上に対する

個人売上の割合を算出することによって

貢献度を図ることができます。

また、売上だけではなく

粗利益で評価する場合もあります。

そして、管理部門などの数値化しにくい

部門や職種についてはプロセスを

評価することもあります。

能力効果とは?

対象者が保有する、

その職務を遂行するために

必要となる知識やスキルの度合、

またその知識やスキルをいかに発揮し

パフォーマンスを向上させたかの評価
です。

例えば、CADオペーターとしてCAD技術(正確性とスピード)、

図面の読解力、設計に関する知識などが挙げられます。

しかし、知っていても発揮しなければ

会社への貢献とはならないので、

こういった技術や知識を発揮した内容も問われます。

情意効果とは?

簡単に言えば勤務態度ですので、

日頃の業務に対する姿勢や態度を評価
します。

具体的には規律性・積極性・責任制・協調性

といった内容があります。

例えば、新人なので知識やスキル不足しているが

誰よりも元気よく明るく挨拶する人の存在で、

職場全体の雰囲気が良くなることは

往々にしてあります。

また、業績考課や能力効果では

こういった部分を評価することができないので、

その日常の姿勢・態度を評価します。

人事考課の誤差

人事考課は直属の上司やその他の者によって

行われるものです。

人間が評価する以上、

表方に偏りの発生により

正当な評価がされないケースも存在します。

この偏りは無意識のうちに

発生していることも多いので

下記の内容に気をつけながら

評価を行っていくことが大切です。

ハロー効果

ある特定の効果要素の印象から、

被考課者全体の印象を判断してしまう傾向
です。

勝手な思い込みから発生するケースもあります。

例えば、英語が得意な部下を

英語が苦手な上司が評価を行うとき、

必要以上に高く評価してしまうようなケースがあります。

中央化傾向

考課者が被考課者の集団に対して

多数の者を標準と(中央として)評価する傾向
です。

例えば、多くの部下を被評価者として抱えている上司は、

本来絶対評価であるべきところを

相対評価として中央付近に多く評価してしまうケースです。

寛大化傾向

被考課者を全体として

実際の成績よりも甘く評価してしまう傾向
です。

例えば、評価フィードバック後の

人間関係の悪化などを考慮して、

実際よりも甘く評価してしまうケースがあります。

直近化傾向

対象期間全体を通して評価するのではなく、

期末近くに発生した事象(成績・業績・プロセスなど)を見て

評価する傾向
です。

例えば、営業職の部下が期末に大きな契約を受注し、

通期では目標未達成だったとしても、

直近の大きな契約を過大に評価してしまうケースです。

対比誤差

考課者が自分と反対の特性を持つ被考課者を

過大または過少に評価する傾向
です。

例えば、上司が保有していない資格を

部下である被考課者が保有していることにより、

過大な評価をしてしまうケースです。

もちろん、この逆のケースもあり、

資格を保有していないことにより

過小評価してしまうケースもあります。

論理誤差

評価項目間に論理的に類似した項目がある場合に、

特定の要素が優れていると

他の関連する要素も優れていると

評価してしまう傾向
です。

具体的には、営業成績の良い(業績考課の高い)

被考課者は積極的である(情意考課も高い)

とうい評価をしてしまうケースがあります。

人事考課を補完する制度

前項の様に人事考課は

人が人を評価することから

誤差が発生することがあります。

この誤差を極力小さくするためには

下記の様な方法があります。

自己申告制度

従業員の各人の満足度、職場の人間関係、

人事異動に関する希望などを

会社に申告させる制度。

従業員の自己認識、自己啓発の機能を

発揮させるという利点があり、

能力開発、適正配置、動機付けなどを目的として実施されます。

ヒューマン・アセスメント

職制上の上司ではない、

特別に訓練されたアセッサー(観察者)が

心理学などを応用した一定の演習課題を通じて

参加者の隠れた能力を観察評定するものです。

人事考課まとめ

これから本格的に

人事考課の時期になると思いますが、

人事考課は従業員のモチベーションを

左右する大きな要素
です。

評価者、被評価者を経験し、

過去に人事考課に納得できずに

評評価者への信頼感を失った

ケースもありました。

評価者は私情に流されることなく、

冷静、客観的、根拠を持って評価するように

心がけて下さい。

部下との面談NG事例

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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