ジョブ・カード制度の本音と建て前

ジョブ・カード制度

ジョブ・カード制度をご存じでしょうか?

多くの方が知らないと思います。

ジョブ・カード制度については

以前に記事にしておりますので

そちらも参考にしてください。

※「ジョブ・カードを活用していますか?

突然ですが、令和5年度の厚生労働白書が

2023年8月1日に発表されました。

令和5年度といっても発表であって、

内容は令和4年度になります。

そして、その内容を確認している時に

気になった文章があるので

一部抜粋させて頂きます。

※以下抜粋

非正規雇用労働者等に対して、

キャリアコンサルティングや

実践的な職業訓練の機会の提供

及びその職務経歴等や

訓練修了後の能力評価結果を

取りまとめたジョブ・カードの

就職活動における活用を通じて、

求職者と求人企業とのマッチングや

その実践的な職業能力の習得を促進し、

安定的な雇用への移行等を目指すため、

ジョブ・カード制度の活用促進を図っている。

というジョブ・カード制度促進について

説明がされていました。

そして、この説明について職業訓練運営事業者として、

そしてキャリアコンサルタントとして

非常に違和感があります。

旧ジョブ・カード制度

旧ジョブ・カード制度の建て前

そもそも、前述の説明には

就職活動における活用や

ジョブ・カード制度の活用促進という

内容が記載されています。

しかし、ジョブ・カード制度は

平成27年10月1日に

大きく制度変更しております。

そして、以前の制度ではジョブ・カードは

明確に「応募書類として活用」という

役割を担っていました

したがって、職業訓練においても

受講生にジョブ・カードを作成頂き、

それをキャリアコンサルタントが添削し、

応募書類として活用できるレベルまで

作成支援を行っていました。

また、当時は実際にジョブ・カードを

活用して求人企業に応募する

訓練生も存在していました。

もう一方、当時に求人募集した時にも

ジョブ・カードで応募する方が

おられたのも事実です。

したがって、こういった背景から、

当時はキャリアコンサルタントとして

ジョブ・カードを普及促進させるならば、

ハローワークを介した応募については

ジョブ・カードを使用することを

基本とすれば普及促進の

スピードが上がると思ってもいました。

旧ジョブ・カード制度の本音

前述の内容は紛れもない事実です。

しかし、当時のハローワークも

同じ思いで普及促進を考えていたかというと

疑問を感じます。

職業訓練校においてジョブ・カードを

応募書類として活用できるレベルまで

作成支援を行いました。

すると、ある受講生が

ハローワークの個別支援を受けており、

当時の職員から応募書類を

持参するよう指示されたそうです。

そして、その受講生は応募書類として

職業訓練校で作成したジョブ・カードを

ハローワークに持参されました。

すると個別支援の担当者から

誰がそんなもん(ジョブ・カード)

持ってこいと言った!

履歴書と職務経歴書を

持ってきなさい」と言われたそうです。

職業訓練校は厚生労働省からの通達で

ジョブ・カード作成支援を

行っているにも関わらず、

その組織であるハローワークの職員からは

「そんなもん」扱いを受けておりました。

現ジョブ・カード制度

現行制度の建て前

平成27年10月1日以降に

現行のジョブ・カード制度が

運用されるようになり、

応募書類としての活用は削除され

ジョブ・カードを就職、転職活動に

活用するという文言に変更になりました。

つまり、応募書類そのものではなく

添付書類としてしての活用や

ジョブ・カードから

履歴書・職務経歴書を作成するという

位置づけに変更になったのです。

また、現在でも変わらず職業訓練校では

ジョブ・カード作成支援を行っているのですが、

ここにも疑問は残ります。

ジョブ・カードの情報を配信する

マイジョブ・カードのHPでは、

「職業訓練を受ける」という欄があります。

そして、ここでは

「ジョブ・カードで整理した

キャリアプランの実現に向け、

必要な職業スキルや知識を習得しましょう」

という説明がされています。

現行制度の本音

したがって職業訓練校では

入校案内を送付するときに

「ジョブ・カードを持参ください」

という説明を入れています。

すると職業訓練を管轄する

独立行政法人からは

ジョブ・カードを

事前に作成するような

文言を記載しないで下さい

という指導がありました。

また、ハローワークからは

ハローワーク●●では

ジョブ・カードの事前作成を

行っていませんので、

入校式に持参させることはできません

という連絡がありました。

まとめ

これがジョブ・カード制度の実状です。

片方では民間に普及促進の依頼をしながら、

本来、普及促進させるべき機関が

実質的に普及促進を妨げる行為を行っています

ここまでの内容は私見であり、

そしてジョブ・カード制度の

ミクロ的一部だとは思います。

しかし、厚生労働白書などで

どうどうとジョブ・カード制度の

普及促進が記載されていると、

どうしても思うところがあり

今回のブログを作成しました。

したがって、今回のブログは

一定期間後に削除させて頂くかもしれません。

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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