入社時に書面の提示をしていますか?

入社時に書面提示を

適切に行っていますか?

何それ、必要なの?

提示してるかな?

とちょっと躊躇したあなた、要注意です。

書面交付をしていない企業が多い!

職業訓練の運営をしていると、

卒業生の3カ月後の就職状況を

把握する必要があります。

その為に、卒業時に就職が決まったら

訓練校に連絡して欲しいことを

皆さんにお伝えしております。

さすがに皆さん3カ月通った訓練校なので

ちゃんと連絡をしてくれる人が多く嬉しい限りです。

そして就職状況を把握するために

「就職状況報告書」という書類を

記入していただくのですが、

これが非常に解り難くて

書き難いフォーマットになっているのです。

そこで当訓練施設では

間違えの内容に「雇用契約書、

雇入れ通知書、就業条件明示書」などの

コピーを添付して頂くようにお願いしています。

しかし、電話連絡で入社時に雇用契約書、

雇入れ通知書、就業条件明示書などを

企業から頂いてないかを確認すると、

時々「何も書面はもらっていません」

という返答を時頂くことがあります

トラブル削減のために

そもそも労働契約は「働きたい」「働いてください」

という意思表示の合致で成立
します。

しかし、それだといつから働くのか?

どこで働くのか?何をするのか?

何時から何時まで働くのか?

いくらお給料が貰えるのか?などなどがわかりません。

そこで労働条件が曖昧なことによる

トラブルを避けるために

労働契約の締結にあたって労働条件を

入社時に明示することが企業に

義務付けられています

絶対的明示事項

ではどんなことを入社時に

明示しなければならないかというと、

①労働契約の期間

②期間の定めがあるときは更新の有無とその基準

③就業場所と業務内容

④残業の有無と労働者を2組以上に分けて

就業させる場合の就業時転換に関する事項

⑤賃金額、支払方法、締め支払日

⑥退職に関する事項

⑦昇給に関する事項

これらは絶対的明示事項と言われており、

企業は必ず定めたうえで

労働者に通知しなければなりません。

特に①~⑥については書面の交付、

ファクシミリの送信、電子メール等の送信

(これらを総称して書面等の交付)

という手段で明示
しなければなりません。

⑦は書面等の交付ではなく口頭での伝達も許されています。

相対的明示事項

絶対的明示事項以外にも企業とし

て定めがある場合には

明示しなければならないことがあります。

①退職手当に関する事項

②臨時に支払われる賃金

③労働者に負担させる食費、作業用品など

④安全及び衛生に関する事項

⑤職業訓練に関する事項

⑥災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

⑦表彰及び制裁に関する事項

以上を、相対的明示事項と言います。

相対的明示事項は書面等の交付以外の

方法で明示してもかまいません

具体的な明示方法

実際にすべての項目を網羅して

労働者に通知するのは非常に大変でもあります。

実際に昇給に関する事項などは

会社の昇給ルールを全て明示したり、

残業の発生について労使協定の内容を

全て明示するようなことは現実的ではありません。

そこで、実際には就業規則を定めているならば

就業規則上の関係条項名を網羅的に示す方法でも問題ありません

 

労働条件の即時解除

労働契約時に明示された

「絶対的明示事項」「相対的明示事項」が

事実と相違していれば、

労働者は即時に労働契約を解除
することができます。

そしてこの即時解除は

未来に向かって消滅させるもので、

すでに労働した分の賃金等は当然に請求することが可能です。

罰則の対象

担当者によっては、いちいち書面を交付するのは

面倒くさいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、

この労働条件の明示義務に違反した場合は

30万円以下の罰金
が法定刑として課せられます。

まとめ

この明示事項については、

就業するうえでトラブルになりやすい

内容が盛り込まれています。

例えば、労働者にとっては

自分が働く条件を明確にするものです。

いっぽう、企業にとっては明示することで、

後々のトラブル発生時の

エビデンスにもなりえますので、

きちんと入社時に当同条件を

明示するようにしましょう!

雇用契約書を締結していますか?

雇用契約書を締結していますか?

雇用契約書を締結していますか?

 

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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