大阪の労働市場を理解する

大阪の労働市場の特徴

大阪の労働市場を理解するときに

いくつかの要素を考慮しなければなりません。

小学生や中学生に戻ったつもりで

以下の説明を読んでみて下さい。

都道府県別の面積

さて、突然ですが問題です。

日本の都道府県で面積が狭い

上位3つの都道府県はどこでしょう?

正解は・・・

1位 香川県 1876.78㎢

2位 大阪府 1905.32㎢

3位 東京都 2194.03㎢

如何でしょう?正解できましたか?

ちなみに、これは2020年の発表です。

では、1980年の順位はどうでしょう?

正解は・・・

1位 大阪府 1864.16㎢

2位 香川県 1880.47㎢

3位 東京都 2156.35㎢

どうですか?これも正解でしたか?

何故このような逆転現象が

発生したのでしょうか?

答えは関空を作る時に

埋め立てを行ったことで、

香川県より広くなったのです。

どちらにしても、大阪は狭いのです。

都道府県別の人口

では、次の問題です。

日本の都道府県で人口が多い

上位3つの都道府県はどこでしょう?

正解は・・・

1位 東京都 13,971,109人

2位 神奈川 9,214,151人

3位 大阪府 8,817,372人

如何でしょう?正解できましたか?

ちなみに、これは2020年の発表です。

では、人口も同様に

1980年の順位はどうでしょう?

正解は・・・

1位 東京都 11,618,281人

2位 大阪府 8,473,446人

3位 神奈川 6,924,348人

そうです、残念ながら神奈川に

人口では逆転されていたのです。

高人口密度

さて、この2つの統計データから

面積が狭く、人口が多いということは

人口密度が高いことが読み取れます

では、人口密度が高いと労働市場に

おいてはどの様なことが起きるのでしょう?

正解は・・・

他府県からの流入が増えます!

なぜなら、人口が多いところに

仕事はたくさん集まります。

そして、面積が狭いことから

他府県からの流入が容易になります。

したがって、大阪や東京では

他府県の人も多く働いているのです。

もちろん、これは求人を実施するときにも

意識しておく必要があります。

他府県からの流入状況

では、前述の他府県からの

流入を示す労働局のデータを

ご紹介したいと思います。

2020年11月単月のデータです。

まず、大阪府のデータでは、

求人充足数3,312件

府外充足数738件

府外からの就職率22.3%

次に、兵庫県のデータでは、

求人充足数1,769件

府外充足数233件

府外からの就職率13.2%

最後に、京都府のデータでは、

求人充足数1,007件

府外充足数172件

府外からの就職率17.1%

前述のデータの通り、

大阪は求人数が多いので、

充足数も他府県と比較して多くなります。

そして、それと同時に

他府県からの決定人数も率も

高くなっていることが読み取れます

大阪での求人注意点

大阪は競争が激しいことを理解する

では、大阪府では採用が楽かというと

決してそうではありません。

そもそも大阪に仕事が多いので、

求職者の選り好みは大きくなります

また、他府県の方は他府県でも

大阪府でも仕事を探すので、

どちらにしても選択の幅は広くなります。

たとえば、滋賀県の様に広く、

人口も比較的少ない場合には、

求職者の選り好みは小さくなります。

その証拠に、滋賀県は大阪と比較して

失業率は低い水準にあります。

具体的には令和4年度において

大阪府の失業率3.7%に対して

滋賀県は2.3%になります。

この様に、大阪の人材獲得競争は

求職者人数も多いが、競争が激しいことを

理解する必要があります。

大阪での流入同線を意識する

繰り返しですが、大阪府は狭いです。

したがって移動時間が掛かりません。

具体例として、以前に堺の中百舌鳥にある

企業様のサポートをさせて頂きました。

担当者の方は堺の賃金相場を

考慮して話をされるのですが、

実際には沿線で考えた時には

天王寺やなんばと比較すべきなのです。

なぜなら、沿線を考慮すると

中百舌鳥は乗換駅であり、

天王寺まで13分、

なんばまで17分のプラスで

通勤することが可能だからです。

この様に、大阪の面積を考慮すると

その立地条件と沿線を意識しなければ、

求人成功率が低下することになります。

まとめ

今回の話は超ローカルに

大阪にスポットを当てた話です。

したがって、他地域の方でお読みの方には

中百舌鳥、天王寺、なんばなど

意味が通じないかもしれません。

しかし、各土地によって求人の競争条件が

異なることを意識しなければ、

現在の採用難の時代に

良い人材を獲得することは出来ないのです。

 

地域の労働市場を理解する

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ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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