厚生労働省は半期に一度、雇用労働力の流動状況を明らかにするために「雇用動向調査」を実施しています。
今回は令和6年度分が発表されましたので、その内容を整理して確認していきたいと思います。
入職者・離職者の状況
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常用労働者:50,645.8千人
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入職者数:7,473.7千人(入職率14.8%)
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離職者数:7,195.3千人(離職率14.2%)
結果として、日本全体では 入職者が0.6%多く、常用労働者の人数は増加傾向 にあります。
男女別の結果
男性
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常用労働者:26,752.1千人
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入職者:3,459.3千人(入職率12.9%)
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離職者:3,367.6千人(離職率12.6%)
女性
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常用労働者:23,893.8千人
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入職者:4,014.4千人(入職率16.8%)
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離職者:3,827.7千人(離職率16.0%)
男性入職者は0.3%、女性は0.8%多く、特に 女性の社会進出が顕著に進んでいる ことが分かります。
退職理由の傾向
退職理由は男女で順位の差はあるものの、トップ3は共通しています。
男性の退職理由
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給料等収入が少なかった(10.1%)
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職場の人間関係が好ましくなかった(9.0%)
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労働時間・休日等の労働条件が悪かった(8.6%)
女性の退職理由
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労働時間・休日等の労働条件が悪かった(12.8%)
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職場の人間関係が好ましくなかった(11.7%)
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給料等収入が少なかった(8.3%)
→ 「人間関係」「待遇」「労働条件」の3点が、離職防止の大きなポイントとなります。
転職後の賃金変動
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若年層(19歳以下~35~39歳)
→ 転職後に賃金が増加する人の割合が多い。 -
55歳以上
→ 賃金が減少した人の割合が増加した人を上回る。
つまり、 若年層の転職は賃金増のチャンスがある一方で、中高年層の転職にはリスクが伴う ことが確認できます。
まとめ
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日本の常用労働者数は増加傾向。背景には 女性の労働参加の拡大 がある。
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離職を防ぐためには、 人間関係・待遇・労働条件の改善 が不可欠。
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転職は年齢によって賃金変動の傾向が異なり、特に中高年層は注意が必要。
労働力不足の中で、いかに 人材を確保・定着させるか が重要な課題となっています。
雇用均等基本調査が映す、日本社会の新たなフェーズ
厚生労働省「令和6年度 雇用動向調査」資料
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