リスキリングやリカレント教育

リスキリングとリカレント教育の意味

最近、インターネットやニュースなどでよく

「リスキリング」という言葉を見かけます。

その言葉自体の意味ではReskillingであり、

日本語訳すると職業能力の再開発や再教育という意味になります。

しかし、厚生労働省のHPで確認すると

新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、

新たな分野で必要となる知識及び技能を習得すること


となっております。

また、似たような言葉でリカレント教育とうい言葉が使用されており、

これは「学校教育からいったん離れたあとも、

それぞれのタイミングで学び直し、

仕事で求められる能力を磨き続けていくこと


とされており微妙にニュアンスが異なります。

行政サービス

リスキリングとリカレント教育の共通点は

どちらも社会人になってから新しいことを学ぶことであり、

人への投資が重要であることに違いはありません。

そして厚生労働省のHPでは以下のような施策を行っていることが記載されています。

教育訓練給付金

対象講座を修了した場合に、

自ら負担した受講費用の20%~70%の支給

を受けることができます。

公的職業訓練(ハロートレーニング)

希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識などを

無料で習得
することができます。

雇用保険の対象となっていない方でも、

一定の条件のもとで、月額10万円の支給を受けながら訓練を受けることができます。

人材開発支援助成金※事業主支援

事業主が従業員に対して職務に関連した訓練を実施した場合や、

新たに教育訓練休暇制度を導入して、

教育訓練休暇を与えた場合に、訓練経費や制度導入経費等の助成
が受けられます。

生産性向上支援訓練※事業主支援

専門的な知見とノウハウを有する民間機関等に委託し、

事業主のニーズに応じて、講義だけでなくグループワークなど

効果的な演習を取り入れて実施する訓練
です。

リスキリングの本当

ここまでは行政の取り組みを紹介した感じになっていますが、

リスキリングの体験者であり、

公的職業訓練の運営者でもある筆者が

その現実について記載していきたいと思います。

リスキリングの教育訓練給付金

筆者は社会保険労務士試験を受験するときに

この制度を利用させて頂きました。

詳細な金額は忘れてしまいましたが、

十数万円する社労士の通信講座を利用させて頂き、

講座の修了証明書(全講座の視聴とWebテストの受験)

を受領した後に手続きを行い2~3万円の助成金を受領したと記憶しております。

いやいや、本当に言いたいのはそこではない!

働きながら資格試験に挑戦するという

無謀とも言える考え方に言及したいと思います。

社労士の勉強時間は某サイトによると800~1,000時間とされています。

筆者は勉強が得意でないので1,000時間以上必要だった訳ですが、

1月から勉強を開始し8月の試験まで8カ月で講座を受講しました。

そもそも、このスケジュールが無謀だったことはさておき、

1,000時間を8カ月となると月125時間をねん出する必要があります。

土日に5時間で月40時間、85時間を平日に割り振ると4.25時間必要となります。

実際に朝は5時起床で6時に出勤。6時~8時の2時間は会社で勉強。

帰宅が20時頃なので21時~23時の2時間勉強し、

通勤途中に電車内で動画を視聴すること30分という生活を繰り返しました。

正直に言います「リスキリングは時間外労働での過労死ラインを遥かに超えるレベルだ!」

もちろん、目指す方向性によって変わるとは思います。

リスキリングの職業訓練

筆者が所属する会社では求職者支援訓練を行っております。

離職者が対象となるので平日9:30~16:00の1日6時間で3カ月間の訓練となります。

平日にも数日休みを設けているので総訓練時間は300時間程度の訓練です。

社労士の勉強と比較すると約1/3程度の時間設定ですが、

それでも300時間という時間を費やしている訳ですから

実態がどうなっているかをお伝えしたいと思います。

まず就職率は90%程度で推移しており、

訓練修了から3カ月以内に90%の人が就職を決めています。

そして就職した者の80%程度が訓練と関係のあるお仕事に就いています。

100名受講したら90名が就職し、

72名が訓練内容に則した就職をしている計算になります。

ここで注意!全員が思うような仕事に就職している訳ではないということです。

実態としては年齢が低い(就業経験が浅い)方は

前職と全く関係ない職種に就職するケースが多くありますが、

年齢が高く(就業経験が豊富)なると過去の職務内容に

職業訓練の技能をプラスして関連職種に就職する率が高くなっています

まとめ

リスキリングは今回の事例では300時間~1,000時間を費やしていますが、

費やす時間が多くなればより専門的な勉強が可能になりますが、

その期間収入が途絶えることになったり、時間の投資が大きくなります。

逆に投資時間が短いと大きなキャリアチェンジを行うことが難しくなります

リスキリングはこのバランスをどの様に取って次の就業につなげていくかを

事前に計画しておくことが重要
になります。

離職ゼロ研修

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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