労災かくしは御法度!大阪令和4年労働法違反件数

労災かくしは労働法違反のなかでも

毎年報告されています。

また、労働法違反件数については

令和3年でもブログにしました。

今回は令和4年の労働法違反より

労災かくしを中心に記載します。

大阪労働局HP「令和4年における送検状況について

労働法違反件数

まずは、令和4年度(1~12月)の

労働法違反による送検件数は

66件(前年差異▲12件、前年比▲15.4%)でした。

そのうち、労働基準法違反26件

(前年差異▲4件、前年比▲13.3%)

さらに、労働安全法違反40件

(前年差異▲8件、前年比▲16.7%)

という状況です。

さらに細かい内容を見ていくと、

労働基準法違反

第一に定期賃金の不払が13件

第二にその他事案が6件

第三に賃金不払残業

(サービス残業)が4件

第四に労働時間・休日等が3件

となっております。

労働安全衛生法違反

第一に機械等危険防止が14件

第二に墜落等危険防止が8件

第三に労災かくしが7件

第四に作業主任者等の選任等が5件

第五にその他事案が4件

第六に就業制限が2件

となっております。

はい、今年もランクインしました

労災かくし7件です。

労働法違反の実態

労働基準法等違反(サービス残業)

大阪市中央区に本社を置いて、

建設設計監理業を営む使用者が、

労働者に対し、

法定の労働時間を延長して

労働させながら、

通常の労働時間の賃金の

計算額の2割5分以上の

率で計算した割増賃金を

所定支払日に支払わなかった。

≪私見≫

いわゆるサービス残業に関する

事例になります。

このブログでも

固定残業手当(みなし残業手当)の

導入について、

そして、就業規則について

何度も記事にさせて頂きました。

ブログ「固定残業手当とは?

ブログ「就業規則の作成・変更

さらに、建設業は2024年4月1日に

時間外労働規制の上限規制が

適用されることになります。

今回は割増賃金の未払いでしたが、

次はそれに加えて

労働基準法36条違反になる

可能性もあります。

安全衛生法違反(労災かくし)

大阪府高槻市において、

大工工事、仮枠工事、造作工事の

各施工及び請負の事業を営む事業者が、

高槻市内の会社倉庫で

労働者が注油作業中に墜落し、

休業4日以上を要する

災害が発生したにもかかわらず、

遅滞なく労働者死傷病報告書を

所轄の茨木労働基準監督署長に

提出しなかったもの。

労災かくしは意図に関係ない

前述は労災かくしの事例になります。

労災かくしは意図して

隠そうとしなくても

届出を行っていないこと自体が

労災かくしと認定されるケースがあります。

例えば現場で怪我人が発生し、

適切な処置を施したうえで病院に

連れていきました。

幸い命に別状はないので

特に大きな問題とは捉えていませんでした。

しかし、この事故は報告が必要な

労働災害だった場合、

本来なら企業が労働者死傷病報告を

期限内に行わなければなりません

しかし、大きな問題と捉えず、

報告を怠っていると

多くの場合、病院から通報があり、

労災かくしとして認定されます

この様に隠す意図が無くても

労災かくしとなるケースもあります。

労災かくしは御法度

こういった労災かくしが発覚した場合、

労働安全衛生法違反として

50万円以下の罰金刑が科せられます

金額的に大きくないかもしれません。

しかし、刑事罰になりますので、

例えば金融機関からの融資に影響

他にも入札への参加制限

などへも影響を及ぼします。

また、建設業の場合は

無災害表彰を受けている事業場は

その表彰状を返還

労災保険のメリット制が

適用されている事業場では

メリット収支率の変更

といったことにも影響を及ぼします。

さらに目に見えにくいですが、

従業員の労働意欲減退にも影響します。

労災かくしまとめ

令和4年の労働法違反の内情から

労災かくしをピックアップして

記載しました。

あらためて声を大にして

「労災かくしはあかん!」

そして意図はなくても

労災かくしに認定されることがあります。

部下、後輩などからの

事故報告を受けた時には

勝手な判断はせず

会社のしかるべき部署に相談するか

当事務所にご相談してください。

労働法違反は大阪で何件くらい?

労働法違反は大阪で何件くらい?

労働法違反は大阪で何件くらい?

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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