【採用担当者必見】え、これもアウト!?就職差別につながるNG質問

6月は男女雇用機会均等月間であり、ここ大阪においては就職差別撤廃月間でもあります。

今回は、公正な採用選考を行う上で、どのような事項が就職差別につながる可能性があるのかについて、厚生労働省の指針を基に、具体的な設問と解説を通して理解を深めていきたいと思います。

厚生労働省は、公正な採用選考のためには**「応募者の適性・能力とは関係のない事項で採否を決定しない」**という重要な指針を示しています。この点を踏まえて、以下の設問に挑戦してみてください。


第一問

面接の質問で就職差別に該当する可能性があるのはどの選択肢でしょうか?

A. 現在どちらにお住まいですか?

B. 生まれてから、ずっと現在の住所に住んでいますか?

C. ここまでの交通手段を教えてください?

D. ここまでの通勤時間はどの位かかりますか?

解説: 現在の住まいを質問すること自体は問題ありません。しかし、「住まいの地域はどんな環境ですか?」「お住まいは国道〇号線のどちら側ですか?」など、地域を特定する質問は差別につながる可能性があるためNGです。履歴書などで本人から開示されている情報は問題ありません。

一方で、現在の住まいではなく、本籍や出身地を確認するような質問は、同和関係者や在日韓国・朝鮮人の方々を排除する意図があるとみなされる可能性があり、NGとなります。

交通手段や通勤時間の質問は、業務遂行に関わる合理的な質問であり、特に問題ありません。

正解:選択肢B 「ずっと住んでいる」が本籍・出身地を特定する質問に該当します。


第二問

面接の質問で就職差別に該当する可能性があるのはどの選択肢でしょうか?

A. あなたの住まいはマンションですか?

B. あなたの趣味はなんですか?

C. あなたの出身大学(高校)はどこですか?

D. あなたの特技はなんですか?

解説: 応募者個人のことを質問すること自体は問題ありません。しかし、本人の責任ではない事柄で判断しようとする質問はNGです。住宅環境や家庭環境の状況を質問することは、地域の生活水準などを推測することにつながり、主観的な判断によって本人の努力では解決できない問題を採否決定の理由とすることは不適切です。

正解:選択肢A あなたの住まいはマンションですか?


第三問

面接の質問で就職差別に該当する可能性があるのはどの選択肢でしょうか?

A. あなたが興味を持った最近のニュースは何ですか?

B. あなたを漢字一文字で表すなら何の文字ですか?

C. あなたが尊敬する人物は誰ですか?

D. あなたが学生時代に注力したことは何ですか?

解説: 本来自由であるべき事項について質問することはNGです。選択肢の中では、「尊敬する人物」に関する質問がこれに該当します。

また、「学生時代に注力したこと」についても、学生運動などの社会運動に関する内容であれば、思想信条に関わるためNGとなる場合があります。

正解:選択肢C あなたが尊敬する人物は誰ですか?


まとめ:就職差別につながるおそれがある14項目

厚生労働省は、就職差別につながるおそれがあるとして、以下の14項目を挙げています。

1. 本人に責任のない事項の把握

  • 本籍・出生地に関すること
  • 家族に関すること
  • 住宅状況に関すること
  • 生活環境・家庭環境などに関すること

2. 本来自由であるべき事項(思想・信条)の把握

  • 宗教に関すること
  • 人生観・生活信条などに関すること
  • 思想に関すること
  • 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
  • 支持政党に関することの把握
  • 尊敬する人物に関すること
  • 労働組合・学生運動などの社会運動に関すること

3. 採用選考の方法

  • 身元調査などの実施
  • 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
  • 本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用

これらの点に留意し、応募者の方々の適性・能力を公正に評価する採用選考を進めていきましょう。


いかがでしたでしょうか?この情報が、皆さんの採用活動の一助となれば幸いです。

就職差別撤廃月間

就職差別撤廃月間

就職差別撤廃月間

大阪府 就職差別撤廃月間「しない させない 就職差別」 HPへ

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

関連キーワード

関連記事

RELATED POST

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP
MENU
お問合せ