2024年問題
2024年問題と言われている
時間外労働の上限規制の
変更によって時間外労働の
抑制が実施されています。
そして、2024年4月1日より
建設業、運送業、医師などは
この対象となり、
各業界では対応に追われています。
しかし、その一方で改革が
あまり進んでいるとは
思えない職種も存在します。
悲しい判例
2017年に市立中学校の男性教諭が
長時間労働を原因として自殺しました。
そして、遺族は市に損害賠償を
求めて訴訟を起こしました。
地裁判決ではありますが、
長時間労働によるうつ病が
認められ労働基準法違反となり、
安全配慮義務違反も認められました。
この裁判の争点は部活動での
高い目標の設定が長時間労働の
要因であるということでした。
そして、この指導は業務の一環で
校長も容認していたことから
上記のような判決に至りました。
結果としては原告勝訴ですが
未来ある教員の命が亡くなったのです。
教員の勤務時間管理
まず、公務員は民間企業と
立ち位置が異なることから
一般的な労働法が適用外です。
しかし、教員を含む地方公務員は
労働基準法第32条などの
労働時間に係る規制は
適用されています。
したがって、校長などは
部下である教職員の
時間外労働などについて
適切に把握する必要がります。
しかし、管理職以外の教員には
労働基準法第37条の
時間外における割増賃金の
規定は適用除外となっています。
したがって、時間外労働の賃金は
時間数に応じて支給されるのではなく、
全員一律に給料に4%の定率を乗じた
教職調整額が支給されています。
つまり、管理職には適正な把握が
義務付けられている一方で
割増賃金による自浄作用は
働かないことになります。
2024年問題の対象外
そうなんです、教員は
今回の2024年問題の外側なのです。
そこで、文部科学省の実態調査
令和4年度版を確認すると
教員の在校時間は以下になります。
小学校教員
校長10:23
教頭12:12
教諭11:15
中学校教員
校長10:10
教頭11:42
教諭11:01
さらに、土日の在校時間は
以下の様になります。
小学校教員
校長0:49
教頭0:59
教諭0:36
中学校教員
校長1:07
教頭1:16
教諭2:18
つまり、教員の一週間の
在校時間は以下になります。
小学校教員
校長53:33
教頭62:58
教諭57:27
中学校教員
校長53:04
教頭61:02
教諭59:41
休憩時間は除いていませんので
一般企業で言う拘束時間ですが、
まあまあブラックな現状です。
まとめ
2024年問題が取り上げられる一方、
教員のブラックな状況は
改善されているのでしょうか?
先日、娘が通う小学校で
校長先生と話をしました。
そもそも教員希望者が少なく
他市との人材確保競争が
起きている現状があると
お話しをされていました。
そして、欠員1名が発生すると
結果として周囲の教員の負担が増し、
時間外労働に繋がる可能性が
発生するそうです。
さらに、新年度を迎える時、
教員全員が揃っていることを
一番初めに確認するとも
仰っていました。
だから、2024年問題の外側にある
教員の働き方改革も
進めなければ
次代のなり手不足に直結します。
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