さて、派遣会社で実際に発生した60時間超時間外労働について実例を参考に解説したいと思います。

※数字は架空の数字を使用しております。

60時間超時間外労働の実例

まず、前提条件として

①法定休日／日曜日（割増率35％）

②所定休日／土曜日（派遣先企業より1週の労働時間に関わらず割増率25％を支給）

③固定残業手当40時間を設定

という条件になります。

そして、その人の勤務状況は以下になります。

1週目／所定労働時間40時間、1日8時間超10時間、所定休日出勤8時間

2週目／所定労働時間40時間、1日8時間超12時間、所定休日出勤8時間

3週目／所定労働時間32時間（有給1日消化）、1日8時間超7時間、所定休日出勤8時間

4週目／所定労働時間40時間、1日8時間超25時間、所定休日出勤8時間

という勤務状況でした。そして、このケースで考えていきたいと思います。

実際の計算方法

3週目に有給休暇を取得されているので1カ月の所定労働時間を160時間として計算します。

すると、時間外労働に該当するのは、

1週目18時間、

2週目20時間、

3週目17時間（有給消化の為、所定休日分は時間外労働対象外）、

4週目15時間

となり、1カ月の時間外労働は70時間となります。

まず、40時間の固定残業手当が設定されていますので、

25％割増の時間外労働が20時間（60時間未満時間外労働ー固定残業40時間）

50％割増の時間外労働が10時間（全体時間外労働70時間ー60時間超時間外労働）

になります。

そして、所定休日出勤は25％割増対応となるので、3週目の所定休日出勤分を25％割増で8時間ということになります。

ちょっと複雑ですが、固定残業手当と60時間超時間外労働の関係、休日出勤と60時間超時間外労働の関係を正しく理解しておくことで計算が可能になります。

時間外労働の算出