時間外労働の上限規制の適用猶予がいよいよ、
終了まであと1年となります。
さて、皆さんの会社では準備が進んでいますか?
時間外労働の規制
明日(2023年4月1日)より時間外労働の規定について
中小企業の猶予期間が終了します。
具体的には1カ月の時間外労働が60時間を超える部分については
5割の割増賃金を支払う必要が発生します。
皆さんの会社では既に準備はお済でしょうか?
中小企業の猶予期間が撤廃されますので
例外(一部除く)なく適用されることになりますので
お気を付けください。
と言ってもこの猶予期間の終了は
お金で解決することができますので、
最悪は遡って過去の部分を支払うことになります。
本当に準備が必要となるのは、
今日の本題でもある時間外労働の上限規制の適用猶予が
1年後に建設業においても終了することです。
猶予期間の終了
2024年4月1日、今日からちょうど1年後に
時間外労働の上限規制の適用猶予が終了します。
対象となる事業は、工作物の建設の事業、
自動車運転の業務、医業に従事する医師、
鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業となります。
工作物の建設の事業
災害時における復旧及び復興の事業を除き、
時間外労働の上限規制が原則通りに適用されることになります。
具体的には36協定を締結したとして
1カ月45時間、1年間360時間を超える
時間外労働をさせることはできません。
さらに、36協定の特別条項を締結したとして
1カ月で45時間を超える時間外労働は年間6カ月まで、
1年間720時間、複数月平均が休日労働を含み80時間以内、
1カ月休日労働を含み100時間未満となります。
自動車運転の業務
特別条項付き36協定を締結する場合、
年間の時間外労働の上限が年960時間となります。
建設の事業と違い、時間外労働と休日労働の合計について、
月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内とする規制や
時間外労働が月45時間を超えることができるのは
年6ヶ月までとする規制は適用されません。
医業に従事する医師
特別条項付き36協定を締結する場合、
年間の時間外・休日労働の上限が
最大1860時間となります。
※私の専門ではないので、ここでは詳細の記載は控えます。
鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業
上限規制がすべて適用されます。
※私の専門ではないので、ここでは詳細の記載は控えます。
時間外労働の罰則
労働基準法においては、時間外労働を⾏わせるためには、
36協定の締結・届出が必要とされています。
従って、36協定を締結せずに時間外労働をさせた場合や、
36協定で定めた時間を超えて時間外労働をさせた場合には、
労働基準法第32条違反となり、
6箇⽉以下の懲役⼜は30万円以下の罰⾦が適用されることがあります。
時間外労働削減への取組
既に建設業では大手ゼネコンなどは
目標を1年前倒しで達成すべく、
2023年度の時間外労働を
1カ月45時間以内、1年間で360時間以内に
収める取り組みが行われています。
実際には時間外手当を収入の一部として
計算している労働者もいらっしゃるので、
通常勤務時の単価を上げる替わりに、
時間外労働を許可制・届け出制として抑制するような
具体的な取り組みが行われています。
また、自動車運転の業務などでは、
原則高速道路の使用を禁止していた
距離の運送でも高速道路を使用することで
労働時間の削減に取り組んでいたり、
配送する荷物の集積方法を変更することで
時間効率を上げる取り組みを行っている企業もあります。
こういった取り組みは一朝一夕にでは達成できず、
事前の検討と実施検証が必要となります。
まとめ
目先の法律改正であり、経費も上がる
1カ月の時間外労働が60時間を超える部分については
5割の割増賃金の支払いに目が行くところではありますが、
建設業や運送業は人手不足の上に
時間外労働の上限規制の適用猶予終了が1年後にあります。
そして、これは増員で対応するにしても
採用から育成まで時間が掛かり、
前項のような取り組みを行うにも一朝一夕ではできません。
1年という期間でいかに事前準備できるかが
成功のカギを握ります。
人材採用のことなら当事務所にお問い合わせください。
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