技能実習制度から育成就労制度へ ~何が変わるのかを解説~

2026年4月15日より、育成就労制度における「監理支援機関」の申請受付が開始されました。

そして、育成就労制度自体は2027年4月からスタートする予定です。
これに伴い、現在の「技能実習制度」は2027年3月末をもって終了となります。

そこで今回は、現在の技能実習制度と、新たに始まる育成就労制度の違いについて、主なポイントを分かりやすく解説します。


1.制度の目的の違い

技能実習制度

技能実習制度は、開発途上地域等への技術移転を通じた国際貢献を目的としており、「人づくり」への協力という側面が強い制度でした。

そのため、外国人材は「実習生」として受け入れられていました。

育成就労制度

一方、育成就労制度は、日本で3年間就労しながら、特定技能1号レベルの技能を持つ人材を育成すること、そして人材確保を目的としています。

つまり、これまでの「実習」という位置づけから、「労働者として雇用する制度」へと大きく変わる点が特徴です。


2.在留期間とキャリアの考え方

技能実習制度

技能実習制度では、

  • 技能実習1号:1年
  • 技能実習2号:2年
  • 技能実習3号:2年

という流れで、最長5年間在留することが可能でした。

また、1号から2号、2号から3号へ進む際には、実技試験や学科試験に合格する必要がありました。

育成就労制度

育成就労制度では、在留期間は原則3年間となります。

さらに、就労開始前には、

  • 日本語能力試験(N5程度)
    または
  • 同等レベルの日本語講習の受講

が必要になります。

そして、3年間で特定技能1号への移行を目指すため、技能面だけでなく、日本語能力の習得も重要になります。

技能実習制度が「段階的にステップアップする制度」だったのに対し、育成就労制度は「特定技能取得を前提に育成する制度」と言えるでしょう。


3.転籍(転職)の違い

技能実習制度

技能実習制度では、原則として転籍(転職)は認められていませんでした。

ただし、

  • 賃金未払い
  • ハラスメント
  • 会社の倒産

など、やむを得ない事情がある場合に限り、例外的に認められていました。

育成就労制度

育成就労制度では、一定の条件を満たせば、本人の意思による転籍が可能になります。

具体的には、

  • 一定期間(1~2年)の就労
  • 技能検定基礎級の合格
  • 日本語試験の合格

などが条件となる予定です。

技能実習制度では「技術移転」が目的だったため転籍が制限されていましたが、育成就労制度では「労働者として働く」という考え方が強くなったことで、転籍の自由度も広がることになります。


4.対象職種の違い

技能実習制度

技能実習制度では、技能実習計画に基づく職種が対象で、全87職種159作業が対象となっていました。

育成就労制度

育成就労制度では、特定技能制度の対象分野と連動する形になります。

そのため、これまで技能実習制度では対象外だった分野も含まれる予定です。

例えば、人手不足が深刻な「自動車運送業」なども対象となる点が特徴です。


まとめ

今回は、技能実習制度と育成就労制度の主な違いについてご紹介しました。

育成就労制度では、技能実習制度で指摘されていた課題や反省点を踏まえ、

  • 監理支援機関の役割強化
  • 受入企業への監査強化
  • 適正な労務管理の徹底

などが求められることになります。

今後、外国人材の受入れを検討している企業にとっては、制度内容を正しく理解し、早めに準備を進めていくことが重要になりそうです。

技能実習生の実態を公表

技能実習生の実態を公表

技能実習生の実態を公表

厚生労働省資料「育成就労制度の概要」へ

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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