地域の労働市場と言ってもピンとこない人も多いと思います。
そこで、まずクイズからいってみましょう!
都道府県クイズ
それでは、都道府県クイズです。
1位/島根県、2位/岐阜県、3位/佐賀県、
これは何のランキングだと思いますか?
※これだけで正解できたあなたはスゴイ!
ヒントです。同率の47位は北海道、沖縄県、45位/大阪府、
そろそろ正解にたどり着いた人もいらっしゃるのではないでしょうか?
最終ヒントです。島根県/1.3、岐阜県/1.5、佐賀県/1.6で
北海道・沖縄県/3.2、大阪府/3.1がランキングの数字です。
正解は2022年の都道府県別平均完全失業率でした。
どうでしょう?正解できましたでしょうか?
地域特性
いやいや、クイズしている場合ではなくて、大阪府やばくないですか!
ちなみに、ワースト順で記載すると
北海道、沖縄県、大阪府、青森県、宮城県、福岡県、神奈川県、
埼玉県、東京都、兵庫県、熊本県・・・といった順番になります。
ここで気になるのは、首都圏である東京都、埼玉県、神奈川県がワーストランクイン、
関西圏の中心となる大阪府と兵庫県もワーストランクインという結果です。
以前から言われていることですが、
都市部と地方を比較すると都市部で失業率は高く、
日本海側と太平洋側で比較すると太平洋側で失業率が高い傾向にあります。
都市部の傾向
一概に言えるわけではありませんが、
基本的には都市部に人は集中し、
人が集中するところに仕事は発生する傾向にあります。
しかし、それが事実なら、
都市部で失業率が高くなることが説明できなくなります。
実際には、企業において大量の雇用が発生するのは
工場などを建設した場合です。
そして、工場建設は地価や人件費などを考慮すると
都市部よりも地方に建設されることの方が多くなります。
さらに、その工場に都市部の人材が働きに出るかというと、
そういったことはほぼありません。
しかし、地方の人材は時期に関係なく都市部に流入しており、
結果として逆転現象が起きやすくなります。
地方の傾向
前項での説明でもあるとおり、地方の人材は絶えず都市部に流れています。
そして、その中でも流出するのは若い人材であり、
地方部に過疎化が進む傾向にあります。
しかし、過疎化が進むことで地価や人件費は下落し、
結果として大量の雇用を生む工場を建設しやすい条件が加速していきます。
そして、日本海側と太平洋側を比較すると
日本海側において過疎化が進みやすい傾向が強く、
労働力は固定的になり失業率は低下傾向になります。
大阪の環境
そこで、日本で3番目に人口の多い大阪府を含む関西圏を考察してみると、
同率16位に和歌山県、滋賀県がランクインしている他はワースト10に
大阪府と兵庫県がランクインすると総じて低い結果となっています。
大阪という人口の多い消費地に対して
企業はどこに工場を多く建設していると思いますか?
そう、正解は三重県・滋賀県です。
滋賀県が16位にランクインしているのに対して
三重県は5位にランクインしています。
三重県は大阪だけではなく、大都市である名古屋への輸送も容易であり、
工場地帯としては好条件な立地なのです。
大阪では?
それでは、再度質問です、
失業率の高い大阪の人材が仕事を求めて
滋賀県や三重県に人口移動するのでしょうか?
答えはNOです。
例えば、滋賀県や三重県の人材が仕事を探すために
大阪や名古屋に人口移動することはあっても、
基本的に都市部から地方部への人口移動は発生しにくいのです。
ならば、大阪は失業率が高いので人材採用が容易かというと、これがそうではありません。
工場のような大量雇用が発生するわけではありませんが、
人口が集中していることにより仕事の種類と量は多くなります。
従って、有効求人倍率も高くなる傾向にあります。
仕事の種類と量が多い中で仕事を探す人が増えると、
求職者は仕事を選べる幅が広がることから仕事条件の
不一致やスキルの不一致が多く発生し、結果として採用活動を困難にさせていくのです。
まとめ
各地域によって労働市場の状況は様々ではありますが、
都市部では失業率も高く、有効求人倍率も高いという
ねじれの減少が発生しやすくなります。
なので、単に失業率が高いから採用難易度が低いかというとそういう訳ではありません。
自分の地域の労働市場の特性を把握しておくことが大切です。
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