最低賃金引上げの実態と賃上げ効果を考える

最低賃金は毎年引き上げられていますが、2025年度はこれまでにない大幅な改定となりました。

全国加重平均は1,121円となり、

  • 上昇額:66円
  • 上昇率:6.3%

いずれも過去最高を更新しています。


発効時期のばらつきが拡大

例年であれば、多くの都道府県で10月中に発効されます。
しかし2025年度は状況が異なりました。

  • 10月発効:20都道府県
  • 11月以降:27都道府県
  • 中には2026年に入ってから発効する地域もあり

発効時期のばらつきが大きくなっています。


毎月勤労統計から見る賃金の動き

では、最低賃金の引上げが実際の賃金にどう影響しているのか、毎月勤労統計で確認してみます。

2025年9月(引上げ前)

  • 労働者計:297,787円
  • 一般労働者:382,717円
  • パートタイム労働者:109,782円

2024年10月(前年同月)

  • 労働者計:292,430円
  • 一般労働者:374,161円
  • パートタイム労働者:109,925円

2025年10月(引上げ後)

  • 労働者計:299,801円
     → 前月比 +0.7%/前年比 +2.5%
  • 一般労働者:384,218円
     → 前月比 +0.3%/前年比 +2.7%
  • パートタイム労働者:112,964円
     → 前月比 +2.9%/前年比 +2.8%

最低賃金引上げの効果は限定的か

発効時期にばらつきがあるため、前月比では大きな変化は見られません
一方で、前年同月比では一定の増加が確認できます。

ただし注意すべき点があります。

最低賃金の引上げ率は6%台であるのに対し、
実際の賃金上昇は2~3%程度にとどまっています。

このことから、

👉 最低賃金の引上げがそのまま賃金全体に波及しているわけではない
👉 賃上げ効果は一定あるものの「限定的」と評価せざるを得ない

と言えるでしょう。


春闘との相乗効果に期待

2026年の春闘では、賃上げ率が5.26%となっています。

最低賃金の引上げに加え、春闘による賃上げが重なることで、

👉 今後は労働者全体の賃金を押し上げる可能性

が期待されます。


まとめ

2025年度の最低賃金引上げは、
金額・上昇額・上昇率ともに過去最高となりました。

しかし、

  • 発効時期のばらつき
  • 賃金全体への波及の弱さ

といった点から、現時点での効果は限定的です。

今後は、春闘による賃上げとあわせて、
どこまで実質的な賃金上昇につながるかが注目されます。

今年の最低賃金改定 ― 金額と発効日に注意!

今年の最低賃金改定 ― 金額と発効日に注意!

今年の最低賃金改定 ― 金額と発効日に注意!

厚生労働省「毎月勤労統計」HP

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

ゼロコスト採用コンサルタント 渡瀬 暢也

1972年・大阪府生まれ、日本大学経済学部卒業。
「ハローワーク活用7つの鉄則」で中小建設業の採用対策と社員が辞めない労務管理をサポートする社労士。求人営業を約10年、人材派遣を10年以上経験。2009年に職業訓練(建築CAD科)事業を立ち上げ運営も担当、ハローワーク活用の就職支援で約1,000名のCAD技術者を輩出。卒業生の短期離職で、就職支援の限界を痛感。労務管理改善を目指し社労士資格取得。中小建設業の採用難対策から労務管理を行う。建設業の採用をサポートし『20代の採用は10年以上振り』と感謝の声を頂く。若者離れの業界に採用戦略で風穴を開け、従業員の未来ある環境を真剣にサポートしている。

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